「わかるようでわからない番組制作の仕事」について、さまざまな大学・学部のみなさんが学生目線でインタビュー!
インタビューに答えてくれた花組スタッフ
入社2年目のアシスタントディレクター
新田 桜子
ソレダメ!(テレビ東京)ニュースエブリィ エブリィ特集(日本テレビ)ミライアカデミア(BSテレビ朝日)などを担当。
インタビューをしてくれた学生さん
武蔵野美術大学
造形学部 芸術文化学科2年
“番組制作は人と人とのつながりが大切なお仕事。たくさんの人との関わり、そしてコミュニケーションを円滑にすることでよりいい番組が作り上げられる。”
今回は入社2年目のアシスタントディレクター新田桜子さんに、武蔵野美術大学2年生の学生さんがインタビューしてくれました。
ADの新田さんは入社2年目、入社以来テレビ東京で放送中の「ソレダメ!」を担当。最近は日本テレビのニュース番組「ニュースエブリィ エブリィ特集」、BSテレビ朝日で放送された「ミライアカデミア」なども担当し、その活躍の場を広げています。
学生(武蔵美):はじめに、番組制作というお仕事について教えてください。
新田(花組):大まかにいうと、企画から撮影、編集を行い、放送に至るまでの全ての工程を担っているのが制作です。
その中でADはほとんどの工程に携わります。次の放送で何をするかという企画の提案やそれに伴う会議資料の作成から始まり、企画が通ったら、どこにロケに行き何をするかをディレクターと相談して決め、会議室などの場所を押さえたり、台本をタイピングしたりします。基本的にはディレクターのアシスタントなので、ディレクターが仕事をしやすいようにスケジュールを立てロケの準備をし、関係する方と細かく連絡を取ります。撮影の後、今度は編集作業に入ります。ADは撮影した映像を編集用に変換する作業をしたり、ディレクターが編集しやすいように編集ソフトのプロジェクトを作っておきます。その後は編集所で編集した映像のテロップや情報の確認をします。そして出来上がったデータをテレビ局に納品するまでが、ADの仕事の一連の流れです。
ディレクターに付いて動くことはもちろん、AD同士でも確認をし合ったり。一つの番組の中でチームができていて、みんなでものを作り上げようという感じです。個人戦というよりはチーム戦というイメージです。戦うわけではないですが(笑)。
学生:番組制作を志望した理由、花組に入った経緯を教えてください。
新田:昔から動くことが好きで、企画やイベントに興味があり、学生時代は学園祭の企画で責任者を務めたり、大学ではイベントを企画する学生団体に所属していたりしました。自分の中で、デスクワーク中心の職業より、動きまわってする仕事の方が向いているなと感じていました。加えてイベントなどエンタメ系に興味があったというところからこの業界を目指しました。
花組の存在はネットで知りました。テレビ業界やイベント系の会社を調べる中で花組のインターンシップにも参加したことが入社したきっかけとなりました。
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橋新亜貴子(ディレクター)×青山学院大学 文学部 比較芸術学科1年
“その華やかな世界の裏側で、実際に活躍しているクリエイティブの方々が、どのように番組を制作しているのか、また番組を面白くするにはどうしたらいいか綿密に考えられていた。”
学生:インターンシップについて詳しく聞かせてください。
新田:2年生の夏に大きな番組制作会社のインターンシップに行きました。リサーチなどの実際のADの仕事や収録の見学をさせてもらいました。花組のインターンシップは2年生の終わり頃に行きました。内容としては、番組の企画をしました。他社と違ったのは、企画に対していろんな人からフィードバックがあったところです。いいととろ、直した方がいいところを送ってきてくれたんです。他のインターンシップでは無かったので、一人一人を見ている丁寧な会社だなと思いました。
学生:入社してからを振り返って、いかがですか?
新田:結果的にいうと、とても自分に合っていたなと感じています。業務内容が時期によって変わっていくため、一つのことをずっとしているということがなく、変化していく中で場面によっていろいろなことに対応していく力が身に付きました。暇な時間がなく忙しいですが、同じことを繰り返していたくない自分には合っていると思います。
学生:入社当時からコロナ禍でお仕事をされていて、どのようなことを感じていますか?
新田:基本的に人との関わりという面に影響を感じます。感染が拡大していった時期に入社しました。同じ番組に携わっていてもリモートでしか話したことがない人がいたりすることはこの時期に入社したからこそありえることですね。
例えばひとつの番組を複数の制作会社で作っている場合などに、大人数が集うことができないので、zoomを使うことがどの番組でも増えたんじゃないかなと思います。ロケや編集など以外の、情報の確認だったり企画のためのリサーチであったりは家での作業です。その期間は1、2週間は会社に行かないというようなこともあります。コロナ禍での働き方では家でも仕事ができる、いつでもオンラインで顔を合わせることができるなどいい面もありますが、対面で会ったことのない人がいたり、現場の雰囲気がわからなかったりすることはコロナの影響を感じるところです。
学生:番組制作のいいところややりがいを聞かせてください。
新田:タイミングによってやることが違うので、同じことをし続けるより変化を求める人にはすごく合っていると思いますし、自分自身番組制作のいいなと思うところです。やりがいは自分の作ったものが誰でも見られるテレビという媒体で放送されて、いろんな人に見てもらえることであったり、家族や知り合いから「見たよ」と言ってもらえたり、取材先のひとから「ありがとう」と言ってもらえたりすることです。
最近、お店の取材を担当することが多いのですが、お店のひとから「テレビに出てからすごく売れてて…」というような反響をもらうと、頑張ってよかったなと思います。直接そういった人と関わるのはADやディレクターならではの仕事で、自分たちがコネクションを作って実際に連絡を取り合った人たちに喜んでもらえる番組を作れることが一番嬉しいです。
学生:反対に、苦労するところ、難しいところはどんな場面で感じますか?
新田:正直大変といえば全部大変なんですが(笑)、特に人との連絡を取るときには相手がどう受け取るかニュアンスに気をつけながら、こちらの意図も伝えたいし、向こう側の話も聞きたいし…。と考えるので、コミュニケーションのやり方が難しいなと思います。色々なコネクションがある中で、コミュニケーションを円滑に行わないといけないことは大変だなと感じます。あとは、編集のチェックはADの仕事なのですが、そのときに漏れがあって直しになると、余計な時間がかかったり、いろいろなところに迷惑がかかったりしてしまうので、ADは業界的にいうと一番下っ端ではあるんですけど、それなりに責任感も持たないといけないですね。
学生:会社の雰囲気を教えてください。
新田:就活のとき、社員の多い制作会社や大手の制作会社などでも話を聞いたり面接を受けに行ったりしましたが、花組でよかったなと思うのは、人数が多くないので社員全員のことがわかるんです。大企業では顔もわからない人もいると思うんですけど、花組では全員を知っていてどんな人かもわかるし、出勤したときは気軽にお話できたり、アットホームな雰囲気です。お互いがお互いをわかって仕事ができるのはいいところだなと思います。それが花組を選んだ決め手でもあります。
学生:今後の目標はありますか?
新田:ざっくりとですが、今はADなのでディレクターになりたいと思っています。そのためにディレクターの撮影中であったり編集の様子であったりを学習中です。マニュアルのようなものがないお仕事なので、番組に合わせて必要な作業をしているという人が多いと思います。だから教えてもらうというよりは、自分で先輩の背中を見て学ぶような、食らいついて吸収していくような勉強のやり方になりますね。例えば、バラエティ番組だったら、面白い台本を書くとか、たくさんの小道具が必要とか情報番組なら専門家の先生とお話しして許可をとるとか、配属される番組によって仕事内容は変わってきます。
学生:いくつかの番組を担当する中での経験について教えてください。
新田:基本的なADの仕事のベースは変わらないので、別の番組で習得したことを他の番組で積み上げていくことができます。意外と、番組の作り方には効率の悪いところがある時もあるんです。昔のスタイルが残っているとか。そういうところを自分で改革していくというか。この番組で得たことをこっちでも応用できるんじゃないか、もっと効率よくできるんじゃないのかというようなことをディレクターやプロデューサーに提示できたりもします。
学生:ADさんでも上に提案をしたり意見を言ったりできる環境があるんですね。
新田:あると思います。花組の社風はとてもオープンなので、すぐに社長のところに行けるんですよ。伝えたいことや困っていることはすぐに社長にも相談できる環境が整っています。上の人も聞いてくださるので、些細なことから悩みの相談まで、日常的に、思ったらすぐに言える環境があるのは花組の色としていいなと思っています。
学生:就活生へ一言お願いします!
新田:私自身就職活動の時に、「本当に自分のしたいことなのか」と悩んだり、面接でうまくいかなくてへこんだりしたのですが、絶対に自分に合う会社があると思いますし、追い込まれすぎずないでほしいです。好きなこと・自分のやりたいことを見つけて、本当にやりたいことをできる環境を見つければきっとうまくいくので、頑張ってください。
学生:どんな就活生を求めていますか?
新田:私がイベントごとや企画に関心があったように、エンタメ系に興味がある人、デスクワークや同じことをずっとしているのは退屈だなと感じている人は来て欲しいです。存分に動く機会があるので、たくさん活躍してもらえると思います。
新田さんへインタビューしてみて
人と人とのつながりが大切なお仕事なのだということが印象的です。制作側としての連携やチームで番組を作っているという意識、取材で関わったたくさんの人との関わりなど、技術を磨くことはもちろんですが、そういった部分以外にコミュニケーションを円滑にすることがとても大事なのだとわかりました。